加齢や疾患に起因する運動機能や認知機能の低下は、日常生活やコミュニケーションを困難にし、不安やうつ状態をもたらすこともあります。このような状況に柔軟に対応しながら、日常生活の自立度を向上させるための一つの手段として、人の運動意思を反映できる人協調型ロボットの開発があります。
本研究では、神経難病患者や高齢者が身体を動かすことなく、日常生活の動作を遂行するための技術開発を行いました。物理空間とサイバー空間とを行き来するサイバニクス空間において、人の運動意思が反映された生体電位信号と視線情報を用い、人とシステムとの関わり方に対する3つのモードをシームレスに切り替えることで、物理空間とサイバー空間の間を移動するとともに、アームハンドシステムとIoTシステムを操作可能な人協調型ロボットを開発しました。基本性能の検証では、生活空間で想定される日常的な動作の成功率は高く、使いやすさについても一定の評価が得られました。運動意思によりさまざまな人の自立度を向上させる本技術は、介護負担の軽減や医療費削減にも貢献すると期待されます。
“Development of human collaborative robot to perform daily tasks based on multimodal vital information with cybernics space,” Front. Robot. AI 12:1462243. doi: 10.3389/frobt.2025.1462243, 2025. [link]
“Basic Study on Cybernic Interface for Amyotrophic Lateral Sclerosis Patients to Perform Daily living tasks by Transiting Seamlessly Between Cyberspace and Physical space,” Proceedings of the 2024 IEEE/SICE International Symposium on System Integrations, pp.314-319, 2024.[link]